(株)アミタ持続可能経済研究所は会津医療センター指導のもと、2月13日に宮城県南三陸町で薬用植物・当帰(トウキ)の湯揉みを公開実施します。

リリース

アミタホールディングス(株)の事業会社である(株)アミタ持続可能経済研究所 (以下 アミタ持続研)は、当帰の生産委託をしている農業生産法人南三陸農工房(宮城県本吉郡南三陸町 代表:阿部 博之 以下、農工房)と共に、2月13日に南三陸町で当帰の湯揉みを実施します。湯揉みとは生薬を良質な製品に仕上げる上で重要な調製工程です。当日は漢方医学における研究と診療で多くの実績を有する福島県立医科大学・会津医療センター(以下 会津医療センター)から講師をお招きして実施します。また、この湯揉み工程の模様をメディアの皆様にも公開いたします。

当帰とは


トウキ:湯もみ

(写真:湯揉み工程の様子)

当帰はセリ科の多年草です。生薬である根は婦人薬として重宝されており、冷え性、月経不順、貧血、鎮静、鎮痛、強壮、便秘等に効果があるとされています(参考:農林水産省「薬用作物に関する農林水産省の取組 」)。もともと宮城県にも自生している当帰の類縁種は、江戸時代には「仙台当帰」の名で全国に流通していました。国内の主な産地は群馬、岩手、青森、奈良、和歌山、北海道などが有名ですが、2015年には中国からの輸入品が約80%となっており、海外への依存度が高いのが実情です。

当帰の湯揉み

湯揉みとは、収穫した当帰を約60℃の湯につけて手揉みして、形を整えて乾燥する一連の工程のことです。11~12月に収穫した当帰を乾燥させ、2月頃に湯揉みします。この工程を経ることで飴色の色味がつき、香りと甘みが増し、整形・洗浄効果も得られます。煎じ薬などに使う場合に特に必要とされる工程です。近年は湯揉み工程を必要としないエキス製剤への利用も増えたため、湯揉みは徐々に減少しているとも言われます。しかし、近代医学でも漢方薬が見直されており、湯揉みの工程が必要な煎じ薬の需要が増加しています。

実施の経緯

会津医療センターに所属する三潴忠道先生と佐橋佳郎先生が、2015年9月に農工房の当帰圃場を訪れた結果、無農薬管理等の栽培技術を高く評価し、会津医療センターでの当帰の使用を検討することとなりました。この準備の一環として、この度、両氏の指導のもと農工房で湯揉みを実施します。生産者が医療機関の第一人者から直接技術指導を受け、当帰の湯揉みが実施されることは非常に希少です。

ご指導いただく会津医療センターの講師プロフィール

三潴 忠道 会津医療センター附属病院副病院長 漢方医学講座 教授/【専門】総合内科、漢方診療
佐橋 佳郎 漢方医学研究室 助手/【専門】生薬の市場品の把握、良否鑑別および妥協点の判断
詳細:https://www.fmu.ac.jp/amc/kenkyujo/kanpou.html


以下の日程で当帰の湯揉みを実施します。ご取材希望の方は下記までご連絡ください。

■ 取材受付
アミタホールディングス株式会社 共感資本チーム 担当:岩藤・井口
【TEL】075-277-0795 【FAX】075-255-4527 【E-mail】press@amita-net.co.jp
ご取材いただける場合は、2月12日(金)16:00までに上記連絡先までご連絡ください。

■ 取材詳細
【日時】2016年2月13日(土)(9時00分集合~12:00)
【集合場所】南三陸さんさん商店街 モアイ像前(宮城県本吉郡南三陸町志津川字御前下59-1)
【実施内容】
・当帰栽培の概要説明(農工房・阿部氏)
・漢方診療における当帰の概要説明(会津医療センター・三潴先生)
・湯揉みの概要説明と技術指導(会津医療センター・佐橋先生)

アミタ持続研と当帰栽培

2009年4月にアミタ株式会社の寄附により、千葉大学環境健康フィールド科学センター内に機能性植物生産学寄附研究部門が設置され、アミタグループと千葉大学は当帰を含む薬用植物の栽培研究を開始しました。2012年からは、宮城県南三陸町で被災された方々によるグループ「入谷エンジェルズ」や福祉施設の方々などによる当帰の無農薬栽培がはじまり、2015年からは農工房にその栽培が引き継がれています。

千葉大学と共同研究の末に開発した苗生産技術

一般的な当帰の生産は種撒きから収穫までおよそ2年かかりますが、アミタと千葉大学が共同開発した苗生産技術により、その栽培期間を半分以下に短縮できます。そのため、自然災害や病中害などによる損失リスクを減らし、収量の確保が見込め、より安定した生産が可能になります。

当帰など薬用植物栽培が解決する社会課題

漢方の世界では安価で高品質な生薬が望まれています。生薬は薬価が定められており、例えば当帰(生薬名:当帰)などの薬用植物は無農薬などの手間のかかる栽培方法では採算が合わないケースが多くあります。アミタ持続研では、これまでほとんど使われてこなかった当帰の葉を健康食品素材として販売するルートを確立し、同時に当帰の根を高品質な生薬原料として提供する体制を構築することで事業採算性の向上を図りながら、漢方と農業を取り巻く社会課題の解決を目指しています。

関連情報

アミタグループの提供サービス

アミタグループは1977年の創業以来「持続可能社会の実現」をミッションに、環境戦略デザイン事業と地域デザイン事業を行っています。環境戦略デザイン事業では1,000社を超える企業にコンプライアンス対策、社員教育、IT化等の環境業務効率化支援、環境認証審査を実施。地域デザイン事業では宮城県南三陸町、京都府京都市京北地域、パラオ、ベトナムなどの地域で、包括的資源循環システムの構築による自立的な地域作りを支援しています。
【アミタホールディングス(株):資本金474,920,000円(東証JASDAQ市場上場:2195)】

【お問い合わせ】
 アミタホールディングス株式会社 経営戦略グループ 共感資本チーム 担当:岩藤・井口
 電話:075-277-0795(直通)/ メール:press@amita-net.co.jp
 ファックス:075-255-4527 / URL:http://www.amita-hd.co.jp/